モノノミカタ ~CNCを使った木工作品についての説明書きなど

自然と人をつなぐモノづくり。創作する上で知ったこと、考えたこと。

黄金比を使ったストラディバリウス・ミニチュアビオラとチェロの製作(1)

 「バイオリンのキーホルダー」で使用したデータに修正を加え、ミニチュアビオラとチェロの製作を検討します。

 

〇楽器のライン(線形)の修正

前回の引用の「ヴァイオリンと黄金分割」(坂井克則著)によると、ビオラ・チェロとバイオリンの形状(ライン)の相違は上部最大幅が胴長に対する係数が0.455(バイオリンは0.475)であることなので、この部分について線形を修正します。

胴の上部についてはバイオリンと肩のラインが変わってきますので、自分の楽器(チェロ)を参考にしてみました。

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下はバイオリンのCAD図面ですが、比べてみるとチェロは肩のラインがバイオリンより真円に近い気がします。幅が狭くなるので当然といえばそうですが。

〇大きさ・厚みの確認

坂井氏の資料によると、バイオリン・ビオラ・チェロの寸法の基準は、ひじから指先までの「腕尺」を使用しており、それぞれの胴長は

バイオリン:一腕尺×3/4 -ボタンの長さ

ビオラ  :一腕尺 -ボタンの長さ

チェロ  :一腕尺×黄金比(1.618)-ボタンの長さ

また、横板の高さは

バイオリン:一腕尺×3/4×1/12

ビオラ  :一腕尺×1/12

チェロ  :一腕尺×1/4

で求められます。「ボタン」はネックの付け根にある丸い小円の飛び出し部分のこと。

 

ストラディバリは一腕尺=484㎜を用いてバイオリンを製作していたようですが、チェロは1700年以降、小さめの一腕尺=480㎜で製作されたそうです。

ビオラはバイオリン(胴長44㎜)と並べて比べられるように、同じ1/8スケールとします。原寸は計算値では大き過ぎるので一般的な胴長410mmとすると、縮小モデルは胴長51mmとなります。板厚は5㎜。

チェロについては板厚の問題がありますので材料の入手状況を見て考えます。

 

次回はミニチュアビオラを試作します。

 

(おわり)

 

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